水で割った焼酎の度数ってどれくらいなの?
焼酎のアルコールの謎を追う!

焼酎のアルコール度数の基本

焼酎の度数は主に25度や20度です。しかし実際に飲むときには水、お湯、炭酸などで割ることが多いため、飲む時の度数は変わります。

アルコール度数の定義:「温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量」

水割り焼酎の度数変化

25度の焼酎を水で割ると、理論上は次のように度数が変化します:

割り方による度数の比較

割合(焼酎:割材) 1:1 1:2 1:3
水(計算値) 12.5% 8.33% 6.25%
水(実測値) 13% 9% 7%
お湯(65℃) 13% 8% 6.5%
炭酸水 12.5% 8% 6%

実験結果から、計算値と実測値にほとんど差がなく、割り材による度数の違いもわずかでした。水で割った焼酎の度数はおおよそ元の度数の半分(1:1の場合)になります。

氷で溶ける度数変化(ロック)

焼酎25度とウイスキー40度をロックで30分間観察した結果:

時間経過による度数変化

時間(分) 0 5 10 15 20 25 30
ウイスキー(40度) 40% 30% 28% 26% 24.5% 23% 22%
焼酎(25度) 25% 20% 19% 18% 17% 16% 15.5%

最初の5分間で急速に度数が下がり、その後は緩やかに変化します。30分後には焼酎は約15%、ウイスキーは約22%になりました。

氷の溶ける量の違い

30分間で溶けた氷の量:

度数が高いウイスキーの方が氷が早く溶けるのは、「凝固点降下」という現象によるものです。アルコール分子が多いほど凝固点が下がり、氷が溶けやすくなります。

グラスの温度による影響

グラスの温度による度数変化

時間(分) 0 5 10 15 20 25 30
常温グラス 25% 19% 18% 17% 15.5% 15% 14%
冷やしたグラス 25% 21% 20% 18% 17% 16.5% 16%

冷やしたグラスを使うと氷の溶けるスピードが遅くなり、度数が高く保たれることがわかりました。

焼酎の度数と他の酒の比較

割った焼酎の度数は他のお酒とどう比較されるか:

実験から得られた知見

  1. 水で割った焼酎の度数は計算通りに変化し、割材による差はわずか
  2. ロックでは最初の5分で急激に度数が下がり、その後は緩やかに変化
  3. 度数が高いほど氷が早く溶ける(焼酎よりウイスキーの方が約15ml多く溶ける)
  4. 冷やしたグラスを使うと氷の溶けるスピードが遅くなり、度数が維持される
  5. ロックは度数変化よりも「ゆっくり香りと風味を楽しむ」ための飲み方