住宅ローン"変動型"の金利が上がったらどうする?
変動型商品の実態とリスクを解説

変動型金利の現状

2024年3月
日本銀行がマイナス金利政策を解除
2024年7月
政策金利を0.25%に引き上げ
短期プライムレートが1.475%→1.625%に上昇
2025年1月
政策金利を0.5%に引き上げ
短期プライムレートが1.625%→1.875%に上昇
住宅金融支援機構の調査によると、77.4%が「変動型」を利用している。変動型の超低金利(0.3~0.4%台)は、各金融機関が基準金利(店頭金利)2.625%から大幅に金利優遇しているため。

金融機関が参照している指標金利

変動型金利の仕組み

項目 詳細
基準金利の見直し時期 半期ごと(4月、10月)が72.5%で最多
その他:毎月(9.4%)、年1回(4.0%)、半期ごと3月/9月(4.0%)など
毎月返済額が変更されるタイミング 基準金利見直し後3ヶ月後から(41.4%
基準金利見直し後2ヶ月後から(36.0%)
基準金利見直し翌月から(16.5%)
金利上昇の抑制ルール 「5年ルール」(返済額を5年間は変更せず)
「125%ルール」(返済額の増額は25%以内に制限)
78.5%の金融機関が「5年・125%ルール」を適用
16.0%は適用金利に合わせて返済額を見直し

具体的な金利引き上げの影響

標準ケース
ルール適用ケース

3000万円を35年で借り入れした場合の毎月返済額の変化:

金利 毎月返済額 変化額

「5年ルール」と「125%ルール」が適用された場合の影響:

・金利が上昇しても、5年間は返済額を据え置き
・5年経過後も返済額の増加は当初返済額の25%までに制限
・未払い利息は次の5年間で調整

例:当初0.4%で借り入れ、5年後に金利が2.0%に上昇しても、毎月返済額の急増は防止される。

金利上昇時の対応選択肢

そのまま変動型を継続

5年ルールや125%ルールがあれば、急激な返済額上昇はない。全期間固定型(フラット35:1.94%)と比べるとまだ低金利の可能性も。

繰り上げ返済

返済額軽減型であれば毎月返済額を抑えられ、金利上昇分を吸収できる。まとまった資金が必要。

固定型に切り替え

同じ金融機関での金利タイプ変更か、他の銀行への借り換えが選択肢。諸費用と金利差を考慮して判断。

ミックス返済

固定型と変動型を組み合わせることで、リスク分散が可能。

まとめ:無理のない資金計画が最重要

最終的な損得(利息の多寡)よりも、返済に支障がないか、教育費などの貯蓄ができるかなど、家計全体のバランスを考慮した無理のない資金計画を立てることが重要。