なぜ「食べ放題」や「ビュッフェ方式」の店が潰れずに儲かるのか

固定費・変動費の考え方と経営効率から見る食べ放題の経済学

レストランのコスト構造

固定費

売上に関係なくかかる費用

  • 店舗の家賃
  • 正社員の給料
  • 設備の減価償却

変動費

売上に比例して増える費用

  • 食材費(主要な変動費)
  • パート・アルバイトの人件費
  • 水道光熱費の変動部分

レストランの場合、材料費が売上に占める比率は約3分の1と言われています。

通常レストランと食べ放題の収益モデル比較

項目 通常レストラン 食べ放題レストラン
料金設定 1,500円/食 3,000円/人(食べ放題)
変動費(食材費等) 500円/食(33%) 実際の消費量による
(例:3人分食べると1,500円)
顧客1人当たりの赤字減少額 1,000円(1,500円-500円) 1,500円(3,000円-1,500円)
損益分岐点到達の速さ 標準 より速い

ビュッフェ方式の効率性

ビュッフェスタイルのレストランには、多くの経営上のメリットがあります:

⚖️

規模の利益

大量調理による効率化。20人分を作っても、手間は20倍にならない

👨‍🍳

スタッフ稼働率向上

シェフは朝から継続的に料理を準備できる

⏱️

客席回転率の向上

料理の提供を待つ時間がない

🥗

食材の無駄削減

使う材料だけを効率的に仕入れられる

💰

人件費削減

料理を運ぶスタッフが少なくて済む

🛒

仕入れの効率化

少品種多量の仕入れによる値引き交渉も可能

飲み放題の収益性

食べ放題よりもさらに儲かるのが飲み放題です。

顧客心理:サンクコスト(埋没費用)の罠

サンクコストとは、すでに支払ってしまって戻ってこない費用のことです。

非合理的な行動例

  • 「元を取るまで頑張る」心理
  • 腹一杯なのに無理して食べ続ける
  • つまらない本でも買ったから最後まで読む

合理的な行動

  • 支払いを済ませたら、その金額のことは忘れる
  • 満足できる量だけ食べて、幸せを最大化する
  • 料理が口に合わなければ、無理せず切り替える
食べ放題の店が儲かる理由:変動費率の低さ、効率的な運営、そして顧客心理も味方につけたビジネスモデルなのです。顧客と店舗の両方が満足できる「Win-Win」の関係を作り出しています。