都市部で報告が相次ぐ、見慣れないSMSの強制受信。それは「偽基地局」を使ったサイバー攻撃かもしれません。気づかないうちに個人情報が盗まれる危険性とその対策について解説します。
攻撃者が「セルサイトシミュレーター」等で正規の基地局になりすまし、強力な偽電波 (4G/5G) を発信。
スマホはより強い電波を検知し、偽物と気づかず自動的に接続してしまう。
接続後、暗号化がないか弱い古い通信規格「2G (GSM)」に強制的に切り替えられる。
2G接続を悪用し、キャリアのフィルタを回避して不正SMSを送信。通信盗聴、IMSI収集、位置情報特定のリスクも。
※キャリアの基地局を経由しないため、キャリア提供のセキュリティ機能は機能しません。
偽の基地局として機能し、スマホを強制接続させる無線デバイス。IMSI(SIM固有番号)収集機能を持つものも含む。
大量のSMSを広範囲に送信することに特化した装置。
【注意】これらの装置の購入・使用は電波法違反等にあたり、法的に罰せられます。絶対に手を出さないでください。
機能/機種 | Hitech Terminal 70 | Hitech Terminal Machine 4 | 一般的な特徴 |
---|---|---|---|
主な機能 | SMS一斉送信 | SMS一斉送信 | 偽基地局接続、SMS送信 |
SMS文字数 | 70文字 | 不明 | 機種による |
SMS送信速度 | 最大 20,000通/時 | 不明(高性能と推測) | 機種による |
有効半径 | 約300m ~ 2km | 約500m ~ 2km | 最大 約2kmなど機種による |
携帯性 | ポータブル、車載対応 | ポータブル、車載対応 | バックパック型、車載型など |
価格(推定) | 約3,500ドル (約50万円) | 約37,000ドル (約550万円) | 様々 |
ターゲット情報 | 不要(範囲内へ送信) | ||
操作難易度 | 容易 |
この攻撃の多くはセキュリティの弱い「2G接続」を悪用します。スマホの設定で2G接続を無効にすることが有効な対策です。初期設定では有効になっていることが多いので、必ず確認・変更しましょう。
比較的簡単に設定できます。
※ 通常、日本国内で2Gを使うことは稀です。緊急通報には影響しないとされています。
※ Android 14以降では暗号化されていない通信を無効にする設定が追加されている場合もあります。
残念ながら、2Gだけを個別に無効にする簡単な設定はありません。
「ロックダウンモード」を有効にすると2G通信が無効化されますが、他の多くの機能も大幅に制限されます。
設定場所:
設定 > プライバシーとセキュリティ > ロックダウンモード
※ ロックダウンモードは標的型攻撃リスクが高い人向けであり、副作用が大きいため、一般ユーザーが安易に有効にすることは推奨されません。
自分の身は自分で守る意識が大切です。ぜひ一度、お使いのスマホの設定を確認してみてください。