ビジネスシーンでは数字を正しく読み解く力が不可欠です。表面的な数字に惑わされず、その裏側にある本質を見抜くためのポイントを解説します。
物事を正しく理解するためには、客観的な事実と主観的な意見を分けて考える必要があります。
数字はファクトですが、一面的な見方では本質を見誤る可能性があります。多面的・複合的に情報を捉えることが重要です。
新店舗Aのオープン1ヶ月後の視察。店長は「好調です」と報告。
項目 | 内容 | 分類 |
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店長の報告 | 「好調ですのでご安心ください」 | 個人の意見 |
昼時の状況 | 席が半分ほど埋まっていた | ファクト(弱め:一時的な可能性あり) |
売上 (オープン後2週間) | 300万円 | ファクト |
売上 (直近2週間) | 180万円 | ファクト |
店長の意見とは裏腹に、後半の売上は前半の60%に減少しています。単に「好調」と判断するのは危険です。
これらのファクトを分析することで、より正確な状況把握と本質的な課題発見につながります。
この数字を見ただけでは、鵜呑みにできません。以下の点を考慮する必要があります。
数字の算出方法や背景情報まで読み解くことで、その数字の正確性や信憑性を判断できます。
事実は事実、そこから導かれる推測はあくまで推測です。混同しないようにしましょう。
「サトシは運動したくないから、昨日の運動会を休んだ」
これはあくまで可能性の一つであり、事実ではありません。風邪をひいた、他の用事があったなど、別の理由も考えられます。メディアやPRなどで、事実を基に特定の結論へ誘導する手法には注意が必要です。
意見を主張する人は、自分に都合の良い事実だけを提示することがあります。
指標 | 日本の状況 | 比較対象 |
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失業率 | 低い (187カ国中168位) | 世界各国 |
普通離婚率 (人口1000人あたり) | 1.5 | アメリカ (2.0), 韓国 (2.0) より低い |
「これらのデータから、日本は世界的に見て豊かな国だと言える」
提示された事実だけでなく、その解釈の妥当性や、隠されている可能性のある他の事実にも目を向けることが重要です。
数字や情報を鵜呑みにせず、以下の点を意識することで、本質を見抜く読解力は向上します。
数字の裏側を見通す力は、本質を見通す力です。