偽基地局(フェイクベースステーション)サイバー犯罪解説

総務大臣確認:2024年4月15日、総務大臣が偽基地局の存在を公式に確認し、携帯会社と共に対策を進めることを発表しました。

偽基地局とは

偽基地局とは、正規の携帯電話会社の基地局を偽装する移動式の装置です。主に車に搭載されており、以下のような特徴があります:

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正規の4G/5G電波を妨害

📶

2G(GSM)電波に強制接続

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通信を中継しつつ監視

項目 詳細
使用技術 2G(GSM)通信技術
通信速度 非常に遅い(SNSの閲覧がやっとのレベル)
移動性 車に搭載されており、移動可能
主な目標 海外からの観光客(不慣れな環境の人々)

偽基地局の仕組みと危険性

1

強制接続

近くの正規4G/5G電波を妨害し、スマートフォンを2G通信(GSM)に強制的に接続させます。

2

偽メッセージ送信

接続したスマートフォンに「データ通信量が不足しています」などの偽のショートメッセージを一斉送信します。

12:34 GSM
データ通信量が不足しています。追加購入するには下記リンクをタップしてください。
タップして追加
3

偽サイトへ誘導

通信が遅いため、ユーザーはデータ通信量が不足していると思い込み、メッセージ内のリンクをタップしてしまう可能性があります。

4

個人情報の窃取

リンク先の偽サイト(通信会社を装ったサイト)でIDやパスワードを入力すると、それらの情報が盗まれます。

⚠️ 重要な警告:IDとパスワードが盗まれると、SIMカードの再発行などが行われ、2段階認証も突破される可能性があります。

偽基地局を見分ける方法

通常より通信が遅く感じる場合は、以下の点に注意してください:

✅ スマートフォンの画面上部に「GSM」または「2G」と表示されていないか確認する。

✅ 「3G」「4G」「LTE」「5G」と表示されていれば正規の基地局に接続しています。

対策方法

一般ユーザー向け対策

  • 通信が極端に遅く、画面上部に「GSM」または「2G」と表示されたら機内モードにする
  • 不審なショートメッセージのURLを絶対にタップしない
  • パスワード管理アプリを使用する(偽サイトには自動入力されないため安全)

ハイリスクユーザー向け対策

以下のようなユーザーは「ロックダウンモード」の使用を検討:

  • 政府高官、軍人
  • 大企業の経営者
  • 特に高いセキュリティが必要な人

iPhoneのロックダウンモードについて

ロックダウンモードは高リスクユーザー向けの機能で、以下の制限がかかります:

機能 制限内容
メッセージ 写真・ファイルの添付不可
FaceTime 過去に通話した相手のみ許可
Web閲覧 便利機能カット(基本的な表示のみ)
写真アプリ 位置情報カット、共有アルバム使用不可
USB接続 接続制限あり
格安SIM 新規プロファイル追加不可
2G通信 自動的にオフ(緊急通話時は除く)

⚠️ 注意:一般ユーザーがロックダウンモードを使用すると、多くの便利な機能が使えなくなるだけで、通常は必要ありません。

安全なインターネット利用のためのヒント

推奨事項 ✅

  • 公式サイトを自分で検索して訪問する
  • パスワード管理アプリを使用する
  • 不審なメッセージを受け取ったら公式アプリや公式サイトで確認する
  • 通信が遅い時は画面上部の接続状態を確認する

避けるべき事項 ❌

  • SMSやメッセージに含まれるURLを直接タップする
  • 通信が遅い時に焦って案内に従う
  • 見知らぬサイトでIDやパスワードを入力する
  • 不審なメッセージを無視せずに対応しようとする