Googleカレンダーフィッシング攻撃の図解と対策
近年、Googleカレンダーの招待機能を悪用したフィッシング攻撃が報告されています。このページでは、その手口を図解し、具体的な対策についてまとめます。
フィッシング攻撃の流れ(図解)
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攻撃者: 実在の企業や役員になりすまし、偽のGoogleカレンダー招待(会議など)を作成・送信します。
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被害者: 招待メールを受信します。件名や内容が巧妙なため、不審に思いにくい場合があります。
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被害者: メール内の「参加」ボタンやリンクをクリックします。
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ここが最初の罠!安易なクリックは危険です。
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システム: 本物そっくりの偽Googleログインページへリダイレクトされます。
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被害者: 疑わずにIDとパスワードを入力してしまいます。
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最大の危険ポイント!ここで情報が盗まれます。URLを常に確認!
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攻撃者: 入力された認証情報を窃取し、被害者のGoogleアカウントへ不正アクセスします。
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結果: Gmail、カレンダー、連絡先、フォト、ドキュメントなど、全てのGoogleサービス内の情報が漏洩・悪用される危険性があります。
なぜGoogleサービスが狙われるのか?
Googleアカウントは、Gmail、カレンダー、ドライブ、フォトなど多くのサービスに連携しています。一度認証情報が漏れると、広範囲な個人情報や企業情報が危険にさらされるため、攻撃者にとって魅力的なターゲットとなります。特にGmailのユーザー数は世界で4億人以上と言われています。
被害状況と関連数値
項目 |
数値・内容 |
出典/備考 |
被害に遭った企業・団体数 (2024年12月時点) |
約300社 |
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社発表 |
確認されたフィッシングメール数 (2週間で) |
2300通 |
同上 |
主な攻撃対象となるGoogleサービス |
Googleカレンダー、Google図形描画など |
本文書分析より |
推定Gmailユーザー数 |
世界で4億人以上 |
本文書記載情報 |
フィッシング攻撃の動機 |
認証情報窃取による各種Googleサービスへの不正アクセス、個人情報・企業情報の詐取、決済情報の窃取 |
本文書分析より |
今すぐできる対策
基本的な心構え
- 疑う習慣: 身に覚えのない招待、不自然な日本語、緊急性を煽る内容のメールはまず疑いましょう。
- URLの確認: リンク先に飛んだ際は、必ずブラウザのアドレスバーでURLが正規のものか確認してください。特にログインを求められた場合は慎重に。
- 安易にクリックしない: メールのリンクやボタンを不用意にクリックしない。
Googleカレンダーの設定変更
「知っている送信者からの招待のみ表示」を有効にすることで、知らない相手からの招待に警告が表示されます。
- パソコンでGoogleカレンダーを開きます。
- 右上の設定アイコン(歯車マーク)→「設定」をクリック。
- 左側の「全般」セクション →「予定の設定」→「カレンダーに招待状を追加」をクリック。
- 「はい。ただし、差出人が不明な場合、または全員が招待に応じるまで承諾しない場合」または「いいえ。承諾した招待のみ表示します」などを選択し、知らない人からの招待が自動で追加されないようにします。(※文言はGoogleの更新により若干変わる可能性があります)
セキュリティ強化策
- 多要素認証 (MFA) の導入: ID・パスワードだけでなく、SMS認証や認証アプリ、生体認証などを組み合わせることで、不正ログインのリスクを大幅に低減できます。推奨!
- 高度なメールセキュリティ製品の導入: フィッシングメールを検知・ブロックする機能を持つセキュリティソフトやサービスを利用する。
- OS・ブラウザ・アプリの最新化: 常に最新の状態に保ち、脆弱性を修正する。
- 送信元への直接確認: 不審なメールや招待を受け取ったら、メール内の連絡先ではなく、公式な連絡先や電話などで直接真偽を確認する。
まとめ
フィッシング攻撃は常に進化しています。日頃からセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることで、大切な情報を守りましょう。不審な点があれば、決して情報を入力せず、IT管理者や専門家に相談することも重要です。