【図解】米新卒就職難の現状分析 (2025年)

新規大学卒業者が直面する「パーフェクトストーム」の実態と、その背景をデータで読み解く

深刻化する失業と不完全就業

5.8%

新規大卒者失業率 (2025年3月)

わずか1年余りで31.8%の急激な上昇を記録。雇用環境が短期間で著しく悪化していることを示しています。

41.2%

新規大卒者 不完全就業率 (2025年3月)

約5人に2人が学歴を必要としない仕事に従事。2022年初頭以来、最悪の水準に達しており、スキルのミスマッチが深刻です。

新規大卒者失業率の推移

不完全就業者の割合

就職難を引き起こす4つの「パーフェクトストーム」

📉

1. 経済の減速

求人数が大幅に減少し、失業者1人当たりの求人倍率も半減。企業が採用に慎重になっています。
求人数: 120万件減

💻

2. テック業界の不振

かつての主要な受け皿だったIT業界が大規模な採用削減を実施。新規大卒者の採用は特に厳しい状況です。
新規採用: 50%以上減

🤖

3. AIの台頭

エントリーレベルの業務がAIに代替され始めています。特に汎用的なスキルを持つ大卒者が影響を受けています。
一部採用: 25%減

🤔

4. スキルのミスマッチ

企業が求める即戦力と、学生が持つスキルに乖離。実務経験不足を理由に採用を見送る企業が多数。
雇用主の90%が採用敬遠

専攻による明暗:データで見る格差

就職難の影響は一様ではありません。専攻分野によって失業率や給与に大きな差が生まれています。

主要専攻分野別の新規大卒者失業率 (2023年)

驚くべきことに、コンピュータ工学やサイエンスの失業率が一部の人文系専攻を上回る結果となっています。

2025年 予測初任給の動向

雇用市場は厳しいものの、実際に採用された人材の給与は上昇傾向にあります。ただし、ここでも専攻による格差は明らかです。

主要学位カテゴリー 2024年予測 ($) 2025年予測 ($) 増減率 (%)
工学 76,736 78,731 +2.6
コンピュータサイエンス 74,778 76,251 +2.0
ビジネス 63,907 65,276 +2.1
農学および天然資源 61,399 63,122 +2.8
数学および科学 71,076 69,709 -1.9
社会科学 69,802 67,316 -3.6
コミュニケーション 62,205 60,353 -3.0

市場で需要の高い専門スキルを持つ専攻は給与が伸びる一方、汎用的な分野は減少傾向にあります。