なぜか良いアイデアがポコポコ浮かぶ？仕事ができる人の思考と習慣

「仕事ができる人」と「そうでない人」の違いはどこにあるのでしょうか？経営コンサルタントの島青志氏によると、仕事ができる人は「脳が喜ぶ行動」を積極的に取り入れているそうです。一見無駄に思えるような行動が、実は良いアイデアを生み出す秘訣かもしれません。

学生時代、試験前に必死で暗記した内容、覚えていますか？多くの場合、「試験が終わったら忘れてしまった」のではないでしょうか。

島氏によると、無理やり覚えようとした知識や、「勉強しなさい！」と叱られながら詰め込んだ情報は、脳が「ネガティブな情報」と判断し、受け入れを拒否してしまうそうです（A10神経群の働き）。

大切なのは、「勉強しなければ」と強制することではなく、「知ることに興味を持つ」「知識を得ることを楽しむ」こと。大人になった私たちも、無理に暗記しようとせず、何事にも興味を持って接する姿勢が大切です。

「読んだ本の内容は、しっかり覚えないともったいない」と思いがちですが、創造的な発想のためには、完璧な暗記にこだわるより、様々な本に触れて新しい情報を取り入れる方が効果的です。

本質を理解する: 個々の知識を覚えることよりも、知識同士のつながりを把握し、本質を理解することが重要。そうすれば、必要な時に情報を引き出せます。
再読や関連情報の検索: 一度で覚えようとせず、気になった本を読み返したり、関連情報を調べたりすることで知識が深まり、アイデアの種になります。
メモは「消せるペン」で: 線を引いたりメモを取ったりする際は、鉛筆やシャープペンシルなど、後から消せるものを。視点が変わった時に修正しやすく、常に新しい視点を取り入れられます。
「積ん読」を恐れない: 読めていない本があることを恐れず、様々な情報に触れ続けましょう。必要な時に手に取ることで、新しいアイデアの源になります。

最近、街の本屋さんが減っているのは寂しい限りです。ネット書店は便利ですが、リアル書店には「偶然の出会い」という、ネットにはない価値があります。

目的の本以外にも、普段手に取らないジャンルの本が目に留まり、そこに仕事のヒントが見つかったり、全く新しい興味が生まれたりすることがあります。このような「知の探索」（入山章栄教授も推奨）は、思考の幅を広げ、創造的な発想を助けてくれます。

効率的な情報収集だけでなく、リアル書店での「偶然の出会い」や「発見の喜び」も大切にしたいものです。

情報収集の手段は様々ですが、人から直接話を聞くこと、特に「雑談」は、ひらめきの種を見つけるための宝庫だと島氏は言います。

目的を持って情報収集する読書などと違い、雑談は話が思わぬ方向に進み、普段触れない分野の情報を得られるチャンスがあります。

未知の情報に触れる: 全く知らなかった話を聞くことで脳（特に前頭前野）が活性化し、好奇心が刺激され、創造的な思考が促されます。
リラックス効果: カフェや散歩中など、リラックスした状況での会話は思考が解放され、自由な発想が生まれやすくなります。（首脳会談で散歩しながら話すのも同様の効果を狙っているのかもしれません。）

仕事ができる人ほど、雑談を大切にし、そこから新たな視点やアイデアを得ています。雑談を「無駄話」と捉えず、「ひらめきの種を探す機会」としてみてはいかがでしょうか。