暗号方式の全体像と種類

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現代の情報セキュリティは、用途や性能のバランスを考えて暗号方式を使い分けています。ここでは、「秘密鍵暗号方式(共通鍵暗号方式)」「公開鍵暗号方式」「ハイブリッド方式」について、A4サイズでも見やすいように整理しました。

暗号方式の比較表(A4対応)

方式名概要代表的規格推奨鍵長主なメリット主なデメリット
秘密鍵暗号方式
(共通鍵暗号方式)
暗号化と復号に同じ鍵を使用。事前に安全な方法で鍵を共有する必要がある。AES(128/192/256bit)
DES(56bit)
3DES(112/168bit)
ChaCha20
AES: 128 / 192 / 256bit
DES: 56bit
3DES: 112 / 168bit
処理が高速で大量データ向き。
実装が容易。
鍵配送が課題。
鍵漏洩で全て解読される。
公開鍵暗号方式
(非対称鍵暗号方式)
暗号化と復号に異なる鍵(公開鍵・秘密鍵)を使用。公開鍵は誰でも入手可能、秘密鍵は本人のみ保持。RSA(2048bit以上推奨)
ECC(256/384/521bit)
ElGamal
DSA(署名専用)
RSA: 2048 / 3072 / 4096bit
ECC: 256 / 384 / 521bit
安全な鍵交換が可能。
署名・認証に利用可。
処理速度が遅い。
大容量データには不向き。
ハイブリッド方式公開鍵暗号で共通鍵を安全に交換し、その共通鍵でデータを暗号化。高速性と安全性を両立。TLS/SSL(HTTPS)
PGP
S/MIME
共通鍵部分: AES 128/256bit
鍵交換部分: RSA 2048bit以上 または ECC 256bit以上
高速かつ安全な通信が可能。
実運用で主流。
設計が複雑。
アルゴリズムの組み合わせ依存。

まとめ

  • 大量データ処理は秘密鍵暗号方式が得意
  • 鍵交換や署名・認証は公開鍵暗号方式が得意
  • 実用通信はハイブリッド方式で両者の利点を活かす

暗号技術は日々進化しており、推奨される鍵長やアルゴリズムは変化します。実運用では最新のガイドライン(NIST, JNSAなど)を必ず確認しましょう。

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