生成AI導入時のセキュリティ懸念に答える

AI

はじめに

生成AIのセキュリティについての懸念は企業導入の際に必ず出てくる質問です。この記事では、企業向けAI研修で日本トップの実績を持つ会社の社長が解説する、AIセキュリティに関する重要ポイントをまとめました。

AIセキュリティの2つの大きな懸念点

生成AIのセキュリティ懸念は主に2つあります:

  1. 入力データが学習されるかどうか
  2. 入力データの保管方法と管理

1. 入力データの学習について

結論:学習機能はオフにできるので、一切気にする必要はありません。無料プランでも設定可能です。

設定方法(ChatGPT例):

  • プロフィール名をクリック
  • 設定画面を開く
  • 「データコントロール」を選択
  • 「全てのユーザー向けにモデルを改善する」をオフにする

これは無料プランでも可能で、有料プランでは最初からオフになっている場合もあります。ChatGPT、Gemini、Claudeなどの主要AIサービスでは基本的にこの設定が可能です。

学習されるリスク:

例えば個人情報や企業の機密情報を入力した場合、それが学習され、別のユーザーのチャットで表示されてしまう可能性があります。しかし、上記の設定をすればこの問題は回避できます。

2. 入力データの保管について

入力したデータはAIサービス提供会社のサーバーに送信されます。例えばChatGPTの場合、データはアメリカのOpenAIのサーバーに保存されます。

注意点:

  • クラウドサービス全般(Gmail、PowerPoint、Outlookなど)も同様にデータは外部に送信されています
  • AIだけを特別視するのは合理的ではなく、気にするなら全てのクラウドサービスについて考慮すべき

企業の懸念:

大企業が懸念するのは主にデータの保管場所です。データがアメリカに保存された場合、アメリカ政府によるデータ悪用や、トラブル時のデータ請求が難しいという懸念があります。

OpenAIのセキュリティ対策:

  • データは30日間保存後に削除
  • 暗号化して保存
  • 時価総額は約5兆円(トヨタクラス)の大企業
  • Microsoftも出資している一流企業
  • 超一流企業並みのセキュリティ基準
  • これまでにハッキング履歴なし

安全に使用するための対策

  1. 顧客情報など機密データを入力する場合は以下の対策を:
    • 氏名や住所、クレジットカード情報などをマスキング
    • 機密性の高いデータは入力しない
    • 利用規約(プライバシーポリシー)を事前に確認する
  2. アカウント情報の漏洩対策:
    • 2段階認証を設定する
    • チャット履歴をオフにする設定も可能
  3. 超高セキュリティが必要な場合の対策:
    • ネット接続のないパソコンでの使用
    • オープンソースAIモデルをローカルにインストール

セキュリティとメリットのバランス

完全に安全なものは存在しないため、リスクとメリットのバランスを考えるべきです。使うことで得られるメリットと、最悪のケースを想定して天秤にかけて判断しましょう。

誰が特に懸念すべきか

  • Apple等のGAFAクラスの超大手企業
  • 最先端技術を扱う精密機器メーカー
  • 銀行など超セキュリティ重視の業界

一般的な企業の場合、適切な設定と対策を行えば、AIツールを安全に活用できます。しかし使わないという選択をすると、AI時代の中で取り残される可能性もあります。

まとめ

懸念点対策備考
データが学習される学習機能をオフにする無料プランでも設定可能
データの外部保存マスキング処理、機密情報は入力しないクラウドサービス全般に共通する問題
アカウント情報漏洩2段階認証、チャット履歴オフダークウェブでアカウント流出事件あり
超高セキュリティ要件ローカルAIモデル、オフライン環境銀行など特殊業界向け

生成AIのセキュリティは適切な設定と理解があれば、多くの企業で安全に活用できます。一部の超機密情報を扱う業界を除き、過度な懸念よりも、メリットとリスクのバランスを考えた導入判断が重要です。

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