なぜヘアカットは価格差が大きいのか?6000円と1000円カットの決定的違い

生活

美容室のカット料金には大きな価格差があります。6000円前後の高価格帯と3000円前後の低価格帯に二極化している現状について、現役美容師の操作イトウ氏が解説しています。

美容室料金の二極化と運営

ヘアカット料金の二極化の実態

美容室のカット料金は、1000円台から1万円以上まで幅広く存在しています。特に繁華街では、6000円前後の「高価格帯」と、3000円前後の「低価格帯」の二極化が進んでいます。この価格差が生まれる主な要因は、「新規顧客の獲得合戦」にあります。

価格差が生まれる理由

ウェブ予約サイト(ホットペッパービューティーなど)での競争が激しく、安いカット料金や割引クーポンを提示することで集客力を高める美容室が増えています。これにより、カットの「安売り」が促進されています。

低価格を実現する3つの運営方法

低価格帯の美容室では、以下の方法で効率化を図っています:

  1. スタイリストがお客様を掛け持ちする
    • 同時刻に複数の予約を受け付け
    • シャンプーやブローは別のスタッフが担当
  2. お客様一人あたりの時間配分を短縮
    • 高価格帯:カット1時間
    • 低価格帯:カット40分、カット&カラー1時間30分
  3. カルテを書かない
    • 次回来店時の「前回の履歴」活用のための時間と労力を省略

1000円カットのエコシステム

1000円カット(QBハウスは2025年3月時点で1400円)は、業界でも革新的なエコシステムによって低価格を実現しています。

  • 10分でカットを終える
  • シャンプーをしない
  • ヘアカラーやパーマは提供しない
  • 切った髪の毛は掃除機で吸う

これにより、美容師・理容師の負担となる無駄を極限まで省いています。

高価格帯の美容室の特徴

高価格帯(6000円前後)の美容室では、

  • 工程すべてを分業せず一対一で対応
  • スタイリストが全ての工程を自身で行う
  • 掛け持ちをする余裕がない
  • カルテを記録し、常連客へのフォローが手厚い

美容室料金の適正価格とは

筆者は6000円が美容師にとって健全な運営をするための適正価格だと考えています。理由としては、

  1. 日本のカット料金は欧米主要国に比べて安い
  2. カットは「省ける部分」が少ない職人作業
  3. 時間に追われると美容師の精彩が欠ける場面が増える

ビジネスパーソンはどう選ぶべきか

筆者は「上質」を求めるなら「高価格帯の美容室」を選ぶことを推奨しています。

  • 美容師の精神的・体力的負担が少なく、質の高いサービスが期待できる
  • 常連客ほどフォローが手厚くなる
  • カルテを記録しているため、2回目以降の来店でも内容が引き継がれる

料金体系の比較表

価格帯特徴対応方法カルテ管理時間配分
高価格帯(6000円前後)一対一の対応全工程を担当者一人で実施ありカット1時間
低価格帯(3000円前後)効率重視スタッフ間で分業なし/簡易カット40分
1000円カット極限の効率化必要最小限の作業のみなしカット10分

美容師は喜んで帰るお客様の姿が見たいだけであり、どんな働き方であっても美容師が仕事に対する真っ当な対価を得られることが望ましいと筆者は締めくくっています。

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