2023年のネットバンキング不正送金被害額は過去最悪の約87億3100万円を記録し、2018年と比較すると約19倍に増加しています。2024年も件数4369件、被害総額約86億9000万円と高水準が続いています。様々な手口を知り、対策を講じることが重要です。
最近の主な詐欺手口
詐欺の種類 | 手口の概要 | 具体例 |
---|---|---|
ボイスフィッシング | 自動音声電話で「ログインIDの更新が必要」と誘導し、情報を聞き出す | 山形県の複数企業が被害(2025年3月) |
なりすまし詐欺 | 警察官等になりすまし、「犯罪に利用された口座の凍結」などと偽り送金させる | 兵庫県50代男性が50万円被害(2025年1月) |
口座開設型詐欺 | 「保険金の過払い」「年金未払い」などを口実に個人情報を聞き出し、被害者名義で不正にネットバンキング口座を開設して送金 | 岩手県60代女性が全預金を奪われる |
フィッシング詐欺 | 銀行を装ったメールやSMSで偽サイトに誘導し情報を盗む(詐欺の9割) | 「セキュリティ強化のため一時利用停止」など焦らせる内容 |
リアルタイム型フィッシング | ワンタイムパスワードも同時に入力させ、裏側で即時に不正送金 | 2023年に736万円の被害事例 |
偽サポート詐欺 | 「ウイルス感染」と偽り、遠隔操作で不正送金 | 兵庫県80代男性が49万円、洲本市50代女性が250万円被害 |
主な被害防止策
- 怪しい連絡はすぐに切る:警察官等を名乗っても「この電話を切ったら助けられなくなる」などの脅しに惑わされない
- URLは直接開かない:メールやSMSのリンクは開かず、公式サイトは自分で検索するか登録済みのブックマークから開く
- セキュリティ対策:OSは常に最新状態に保ち、ウイルス対策機能を有効にする
- 相談する:おかしいと感じたら家族に相談する。消費者ホットライン「188」や警察のサイバー犯罪対策窓口に連絡
- 情報共有:高齢者を含む家族全員でデジタルリテラシーを身につける
ネットバンキングを利用していなくても、口座開設から不正送金までセットにした詐欺もあります。被害に遭うと回復はほぼ不可能なため、常に警戒心を持ち、不審な連絡には応じないことが大切です。
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