Apple Watchの「コア睡眠」とは? 科学的な定義との違いを徹底解説

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Apple Watchを利用していると、「コア睡眠」という用語を目にすることがあります。しかし、この用語は一般的な科学的定義とは異なる意味合いで使われているため、混乱を招く可能性があります。本記事では、Apple Watchにおける「コア睡眠」の意味と、科学的な睡眠段階の定義、そして「コア睡眠」という用語のその他の用法について詳しく解説します。

Apple Watchの「コア睡眠」とは?

Apple Watchにおける「コア睡眠」の定義

Apple Watchの睡眠データは、主にユーザーの体の動きに基づいて睡眠段階を推測しています。Appleは、睡眠状態を以下の4つに分類しています。

  • 覚醒
  • 軽い睡眠(「コア睡眠」)
  • 深い睡眠
  • レム睡眠

科学的な睡眠ポリグラフ検査では、ノンレム睡眠が3つの段階(N1、N2、N3)に分けられます。Apple Watchでは、このうちのN1とN2の段階をまとめて「コア睡眠」と表示しています。つまり、Appleの「コア睡眠」は、科学的な定義における「軽い睡眠」と同じ意味であり、特に睡眠段階2(N2)を指します。

Appleが「軽い睡眠」ではなく「コア睡眠」という用語を選んだのは、「軽い」という言葉が重要性の低さを連想させ、ユーザーに誤解を与える可能性を懸念したためです。実際には、段階2(N2)は一晩の睡眠の50%以上を占める重要な段階であり、記憶の定着などに関わっています。

睡眠段階の科学的な定義

Appleが名称を変更する以前から、一般的に知られていた睡眠段階の科学的な定義は以下の通りです。

ノンレム睡眠

  • 段階1(N1):数分間の非常に浅い睡眠。呼吸は正常で、体がリラックスし始めます。Apple Watchでは「コア睡眠」の一部とされます。
  • 段階2(N2):睡眠時間の約半分を占める「軽い」睡眠。睡眠紡錘やK複合体といった特徴的な脳波が見られ、記憶の定着に関わると考えられています。Apple Watchの「コア睡眠」の大部分を占めます。
  • 段階3(N3):「深い」睡眠と呼ばれ、睡眠時間の約4分の1を占めます。脳波が最もゆっくりになり、体の修復が最も活発に行われる段階です。Apple Watchでは「深い睡眠」として分類されます。

レム睡眠

急速眼球運動(REM)を伴う睡眠段階で、夢を見ることが多いとされています。脳波は覚醒時に近い状態を示しますが、体は一時的に麻痺します。睡眠サイクルの後半になるほど長くなる傾向があります。

各睡眠段階の割合(目安)

睡眠科学者によると、一般的な睡眠段階の割合は以下の通りです。

睡眠段階割合8時間睡眠の場合の目安時間
N1(非常に軽い眠り)約5%数分間
N2(軽い眠りまたは「コア睡眠」)約45%約4時間弱
N3(深い眠り)約25%約2時間
レム睡眠約25%約2時間

Apple Watchで「コア睡眠」が少ない場合の対処法

Apple Watchで表示されるコア睡眠の時間が目安よりも短い場合でも、ウェアラブル端末の精度には限界があることを理解しておく必要があります。睡眠時間全体の把握には役立ちますが、特定の睡眠段階の数値に過度に依存するのは避けるべきでしょう。

コア睡眠を含む睡眠の質を全体的に高めるためには、以下の基本的な睡眠衛生習慣を実践することが重要です。

  • 就寝前にリラックスできる時間を作る
  • 毎日同じ時間に起床する
  • 就寝前のスマホなどの画面の使用を避ける
  • 寝室を暗く涼しく保つ
  • 夜間のアルコールやカフェインの摂取を控える

「コア睡眠」のその他の意味

「コア睡眠」という用語は、Apple Watch以外にもいくつかの異なる意味合いで使用されています。

  • James Horne氏の提唱:最初の数回の睡眠サイクルを、人が機能するために必要な「コア」睡眠とし、それ以外の時間を「オプション」の睡眠とする考え方。
  • 深い睡眠としての用法:一部の研究やインターネット上の情報では、ノンレム睡眠の段階3(N3)とレム睡眠を「コア睡眠」と捉えることがあります。
  • 多相性睡眠における用法:一晩の睡眠を日中の短い昼寝で置き換える多相性睡眠において、最も長い睡眠時間を「コア睡眠」と呼ぶことがあります。

まとめ

Apple Watchにおける「コア睡眠」は、科学的な定義での「軽い睡眠」、特にノンレム睡眠の段階2(N2)を指します。Appleは、ユーザーに誤解を与えないように意図的にこの用語を使用しています。睡眠の質を高めるためには、睡眠時間だけでなく、睡眠段階のバランスも重要です。もしApple Watchのデータで気になる点があれば、まずは基本的な睡眠衛生を見直すことから始めましょう。

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