株式会社「和える」代表取締役の矢島里佳氏が語る、起業の理念を忘れずに長く事業を続けるための重要なポイント3つをご紹介します。多くの起業家が陥りがちな「売上至上主義」から脱却し、本来の目的を見失わないための具体的なアドバイスです。
1. 「これだけ稼げば会社は回っていく」というラインを知る
多くの経営者は「売上を上げることが正義」と考え、毎年前年を上回る目標を追い続けます。しかし矢島氏は、まず「どこまで成長できれば不必要に事業の売上を伸ばす必要がないか」というラインを知ることが先決だと指摘します。
このラインを把握せずに売上拡大だけを追求すると:
- 経営者も社員も会社設立の本来の目的を見失う
- 「経済の奴隷」になりかねない
- 心の安寧は永遠に訪れず、息切れしてしまう
2. 自分の「最低限必要な年収」も決めておく
個人事業主や一人経営者にも同様のことが言えます。「なんとなく年収1000万円」といった漠然とした目標のために休みなく働き、心身を消耗している人も少なくありません。
矢島氏は次の2つを決めることを推奨しています:
- 「最低限必要な年収」- 生活に必要な最低ライン
- 「心地よいとする年収」- 余裕を持って暮らせるライン
例として矢島氏自身の場合:
- 最低限の年収:500万円(生活+自分のやりたいことを応援できる額)
- 心地よい年収:700万円以上(家族や大切な人の「やりたい」も応援できる額)
これにより「どう働けばよいか」の上限と下限が見えてくるのです。
3. 週の働き方と休み方を決める
「この時間は休む、この時間は働く」と明確に決めることで、プライベートを犠牲にせず働くことができます。
矢島氏の場合:
- 1週間のうち3日休む
- 1日6〜8時間働く
実際は:
- 平日は丸1日休むことは少ない
- 週に半日勤務を何日か入れる
- トータルで週3日休み相当、1日6〜8時間労働を維持
次の目標は「平日も丸1日休める日をつくる」ことだそうです。
まとめ:起業家であり続けるための心構え
- 起業の「原点」「動機」に立ち返ることが大切
- 無理なく働けるスタイルでなければ続かない
- 「ガツガツ働くタイプではないから起業に向いていない」は間違い
- ライフステージによって「無理」の定義は変わる
- 肩肘張って仕事一筋である必要はない
- 休むときは休む、起業家である前に一人の人間であることを忘れない
起業は「やりたいことを実現し継続するため」のものであり、手段と目的が入れ替わらないように注意することが重要です。無理なく持続可能なビジネススタイルを構築して、真の意味で「起業家であり続ける」ことを目指しましょう。
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