「AIでマニュアル作成」だけで終わらせない! スライド作成&共有のAI活用

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新年度が始まり、多くの企業で新人教育が行われる時期になりました。新入社員への研修や必要な情報の共有をスムーズに進める上で、生成AIは非常に有効なツールとなります。この記事では、業務マニュアルの整備、研修資料(スライド)の作成、そして作成した資料の効率的な共有と活用に役立つAI活用Tipsをご紹介します。

スライド作成&共有のAI活用Tips

生成AIでマニュアル作成・修正を効率化

日々の業務で蓄積されたメモ書きや断片的な情報を、新人にも分かりやすいマニュアルとして整備するのは大変な作業です。ChatGPT、Gemini、Claudeといった一般的なチャット型生成AIを活用すれば、このプロセスを大幅に効率化できます。

基本的な使い方

既存のメモや資料をAIにアップロードし、簡単な指示を与えるだけで、体裁の整ったマニュアルを作成できます。

プロンプト例:

  • 「このドキュメントを、新入社員が読んですぐに理解できるマニュアルの形式にまとめて。」

AIは「新入社員向け」と指定するだけで、専門用語を避け、平易な言葉遣いで文章を生成してくれます。さらに具体的に、「一般的なPC操作の説明は不要ですが、経理システムの扱いは初歩から説明してください」のように、対象者の知識レベルを指示すると、より適切な内容になります。

資料修正のポイント

過去のマニュアルを修正する場合もAIが役立ちます。元ファイルをアップロードし、変更点を指示します。

プロンプト例:

  • 「このドキュメントの以下の項目を変更して、全文を再出力して。」
    (ファイルをアップロード)

「全文を再出力」と指示すれば、変更箇所だけでなく、全体のテキストデータが得られます。手元にPDFしかない資料を作り直したい場合に特に便利です。

マニュアルから研修用スライドを自動生成

Wordなどで作成したマニュアル文書をもとに、研修用のプレゼンテーションスライドを作成したい場面も多いでしょう。この作業は、Microsoft PowerPointに搭載されている「Copilot」を使うと非常に効率的です。

PowerPoint Copilotの活用

  1. PowerPointでCopilotのサイドパネルを開き、「プレゼンテーションを新規作成」と入力します。
  2. 表示されたボタンをクリックし、スライド生成画面を開きます。
  3. 画面上部のクリップアイコンから、元になるWord文書(OneDriveに保存)などを追加します。
  4. 「新人研修用で使用するスライドを作成」のように指示します。

Copilotは、文書の内容を解析し、構成案を提示した後、自動でスライドを生成します。テキストだけの文書が適切なレイアウトのスライドに変換され、内容に合った画像も挿入されます。さらに、アニメーション効果や話者用のメモ(スピーチノート)まで自動で付加されるため、微調整するだけで質の高いスライドが完成します。

その他のスライド作成AIツール

PowerPoint Copilot以外にも、既存資料からスライドを作成できるAIツールがあります。

  • Gamma: Webブラウザ上で利用できるツール。
  • SlidesAI: Googleスライドと連携して使用するツール。

利用環境に合わせて選択すると良いでしょう。

資料共有と活用:NotebookLMでチャット付き資料集を作成

せっかく作成したマニュアルも、読まれなければ意味がありません。また、複数の資料を参照する必要がある場合、必要な情報を見つけるのが困難になりがちです。こうした課題を解決し、新入社員が必要な情報にすぐにアクセスできるようにするために「NotebookLM」が役立ちます。

NotebookLMとは

NotebookLMは、Googleが提供するAI搭載のノートツールです。アップロードした資料(ソース)の内容に基づいて、チャット形式で質問に答えてくれます。個人のGoogleアカウントがあれば無料で利用でき、組織向けのGoogle Workspace環境では、より高機能な「NotebookLM Plus」も利用可能です。

NotebookLMの主な機能・特徴

機能/項目詳細備考
NotebookLM 対象個人Googleアカウントユーザー無料で利用可能
組織向けGoogle WorkspaceユーザーNotebookLM Plus(より高度な機能)が利用可能
NotebookLM 共有機能最大50人のユーザーと共有可能
NotebookLM 対応ソースPDF, Googleドキュメント, Googleスライド, Webページ, YouTube, テキストファイル(.txt), Markdown (.md), コピーされたテキストWordファイルは非対応(PDFに変換してアップロードが必要)
NotebookLM 特徴追加した資料(ソース)の内容のみに基づいて回答を生成hallucination(AIがもっともらしい嘘をつくこと)のリスクを低減
回答内のリンクから、元資料の該当箇所を直接確認可能
チャットの回答を「メモ」として保存・共有可能重要な情報をピン留めできる
ユーザーは元資料にもアクセス可能な形で共有できる社内リソース共有に適している(GPTsなどとの違い)

活用メリット

NotebookLMを使うことで、新入社員は知りたい情報をチャットで質問するだけで、関連資料の中から的確な答えを素早く見つけ出すことができます。質問する側も、それに答える側の負担も軽減されます。また、元の資料へのリンクも示されるため、情報の信頼性を確認しやすい点もメリットです。

重要なQ&Aを「メモ」として保存・共有しておけば、ナレッジベースとしても活用できます。

まとめ

生成AIをマニュアル作成だけでなく、スライド作成や資料共有・活用にまで広げることで、新人教育のプロセスはより効率的かつ効果的になります。AIを活用して、教える側・教わる側双方の負担を減らし、新入社員が自ら学びやすい環境を整備することは、組織全体の生産性向上にも繋がるでしょう。

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