経理業務に生成AIを活用する9つの方法

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経理はAIをこう使え!

経理業務におけるAI活用法9選

AIを使いこなすための基本

1. プロンプトの基本形

効果的なAI活用には適切な指示が重要です。初心者にもわかりやすい基本の型は以下の4要素です:

要素説明
前提AIにどんな役割を期待するかあなたは経験豊富な経理コンサルタントです
命令やってほしい具体的なことこの契約書のリスクを洗い出してください
制約条件指示を実行する上での注意点専門用語は使わないでください
出力形式結果をどう示してほしいか箇条書きでお願いします

2. 情報漏洩リスクへの対策

経理業務では機密情報を扱うため、AIの「学習機能」をオフにする「オプトアウト」設定が重要です。例えばChatGPTでは、設定画面の「Data controls」にある「Improve the model for everyone」をオフにします。

経理業務における9つのAI活用事例

1. ChatGPT×財務分析レポート作成

経済産業省が提供する「ローカルベンチマーク」(ロカベン)のデータをChatGPTに入力することで、経営陣向けの分析レポートを作成できます。特に「キャンバスモード」を活用すると、文章の編集や修正が容易で、管理会計レポートの微調整がスムーズになります。

2. Google スプレッドシート×Gemini

スプレッドシートに組み込まれたAI「Gemini」を使えば、「この表の果物の種類別に金額を集計して」といった自然な言葉での指示だけで、適切な関数を提案・適用してくれます。これまでのように関数を調べる手間が大幅に削減されます。

3. Gmail×Gemini

未読メールの中から重要なものをピックアップして要約したり、丁寧な返信文を自動生成したりすることができます。重要メールの見落とし防止やメール作成時間の短縮につながります。

4. Gemini×クイズアプリ作成

難解なリース会計基準などのPDFファイルを読み込ませ、「この内容を理解するためのクイズアプリを作って」と指示するだけで、プログラミング知識がなくても数分でインタラクティブなクイズアプリが完成します。社内研修ツールとして活用できます。

5. Gemini×PDF読取

外国語の書類も、Geminiに読み込ませることで必要な情報を抽出し、日本語で整理することができます。例えば、ベトナム語で書かれた税務申告書から、税引前利益や納税額などを抽出し、日本の申告書に転記しやすい形で整理することができます。

6. NotebookLM×契約書分析

GoogleのAIノートアプリ「NotebookLM」は、アップロードした資料だけを「教科書」にして回答を生成するため、ハルシネーション(幻覚)のリスクを抑えられます。会計基準の解釈や社内規程に関する問い合わせ対応に適しています。

7. NotebookLM×英文財務報告書作成支援

日本語の有価証券報告書と参照すべき正しい会社名表記リスト、過去のAnnual Reportを読み込ませることで、固有名詞のスペルや過去の表現を踏襲した精度の高い英文を生成できます。用語の統一性や文書スタイルの一貫性が求められる場面で効果的です。

8. Claude×図解・グラフ作成

複雑な会計基準をわかりやすいフローチャートに変換したり、有価証券報告書の数字をグラフ化したりすることができます。プレゼン資料作成時に役立ちます。

9. ChatGPT Operator×単純作業の自動化

ChatGPTの新機能「Operator」は、Webブラウザ上で行う一連の操作をAIが自動で実行してくれる「AIエージェント」です。例えば、NotebookLMに複数のWebサイトのURLをソースとして一つ一つ追加するといった地味な作業も自動化できます。

AI時代の経理担当者に求められるもの

これからの経理担当者が価値を発揮するためには、以下の点が重要になります:

  1. まずはデジタル化: 紙で保管している書類をPDFにするだけでも将来に向けた大きな一歩
  2. 最新のAIに触れる: AIの世界は急速に進化しているため、常に新しい情報にアンテナを張り、自分で試すことが大切
  3. 人とつながる: 部門間の調整や現場の悩みを聞き出して解決策を考えるなど、人間にしかできない強みを活かす

AIを使いこなせる経理とそうでない経理の差は、今後ますます広がっていくでしょう。5年後、10年後にAIエージェントが当たり前になった時に備え、今からデジタル化を進め、AIに触れることが未来への投資となります。


AIの登場により経理業務は単なる記録係から組織全体の課題解決をリードする存在へと変わっていくことが示唆されています。情報漏洩リスクについては、クラウド会計サービスと同様に、リスクと利便性のバランスで判断することが重要だと指摘されています。

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